時間短縮再生。

 行け!清洲昇吾です。



 “作品の楽しみ方は鑑賞者の自由である”と基本的には思っているのだけれど、いざ「かったるいからアニメとか時間短縮再生で見てるわ」とかいう類の発言を耳にすると、映像を生業に細々と生きている者としては、ちょいとしかめっ面をしたくもなるっちゅうモンです。

 映像というのはそもそも、絵や彫刻などの物質的芸術、文字媒体や漫画などとは違い、“時間”を用いた芸術でありまして。
 テレビ用作品ともなれば、固定された尺の中にどう機微を持ち込み、感動を実現するか、というところがミソであり、作り手の手腕が問われるところであり、面白みなのであります。


 “時間短縮再生”とは、果たして、映像作品を本質的に“見た”ことになるのか?


 それは例えば、「音楽を早送りで聞いた」「漫才を早送りで見た」と同義であり、「本を速読した」とは本質的に異なる行為であって。
 それはきっと、「作品を鑑賞したい」のではなく、「早急に情報を得たい」ということでしかないのであって。
 “映像”が“時間と不可分な存在”という前提で作られている以上、普通に鑑賞した人と“時間短縮再生”で見た人の感想が一致するとは、到底思えないのであります。

 まぁ稀に、当時も技術的な解決が出来たにも関わらず、本来の再生速度ではない早送り状態での上映をあえて選んでいたという噂のチャップリンのような例もあったりしますが、それは本人が望んでのこと。
 かつてビデオテープが世に出たとき、早送りされたり、途中で停止・再生されるのが許せないという理由で、映画のビデオ発売を拒否していた監督もいたんだそうで、鑑賞する手段が減るのは困るなぁと思いつつ、その気持ちもよくわかるのであります。


 「時間がない中で映像の記事を書かなければならない」などの仕事なり義務なりが発生していない限りは、やはり本来の楽しみ方で映像作品を堪能したいものであるなぁと、『週刊少年ジャンプ』を読むのに数時間かかる僕は思うのでございます。
 映像作品を“情報”としかとらえていないような味気ない輩が増えている昨今ではありますが、まぁ、アニメを見るときくらいは落ち着いてゆっくり過ごしたいものですな。



 “時間短縮再生”に加え、“字幕つき再生”でテレビを見ている姉に閉口する、行け!清洲昇吾でした。



[Twitter]

テーマ : 映像・アニメーション
ジャンル : 学問・文化・芸術

イベント情報
【コミックマーケット95】

2018.12.29
西た22a『劇団茶羽根』でサークル参加予定です。


【おしらせ】
JOYSOUND|"ゴッド清洲"の曲一覧
2015.7~
ゴッド清洲(ex こっせつ汁)参加オリジナル曲のカラオケが『JOYSOUND MAX』および『JOYSOUND f1』にて配信中です。
カテゴリ
最新記事
プロフィール

チャバネゴキブリ

Author:チャバネゴキブリ
 
ウサギ / 行け!清洲昇吾 / うんこ太郎
チョコの人 / 鷹尾 / チャパ / リッキー
feat.非路行 & kata

以上7+2人の♂でお送りします

自己紹介→ 最初にお読みください
メールフォーム→ 『茶羽根ポスト』

カウンター
リンク
検索フォーム
カレンダー
10 | 2016/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
月別アーカイブ
  1. 無料アクセス解析